オオサキ発達ラボ 特性ある子の子育て、お役立ちblog

滋賀県大津市で子どもの発達のサポートをしています

書くことがつらいケース

書くことに困っているケースについて、ラボの見解を載せておきます。
書字障害・グレーゾーン・dysgraphiaについても同様です。

主な原因はこのあたりです。
①手先をはじめ、体全体の発達が追いついていない
②2D感覚の発達が追いついていない
③その他


では、一つ一つ解説します。
ピンとこないところは、読みとばしてください。


①手先、体全体の発達が追いついていない

これは原因としてイメージしやすいですね!
ヒトは、体幹から手先・足先(末端)に向かって、発達していきます。発達が手の指一本一本まで届いていないと、使えない指をかばって、鉛筆の持ち方がドラえもん持ちになります。親指とグーで鉛筆を挟んで、手首で書くのです。

そうすると、書字はどうなるでしょう。
・字がマスからはみ出る。
・小2ぐらいから漢字の画数が増えてくると、全パーツを書ききれない
・マルの部分(ぬ、る、3など)がカクカクになる
・手が疲れやすい(易疲性 いひせい)ため、書くことがキライ


無理もないです。頑張って書いてる!えらい!

ぜひ大人も、お子さんの鉛筆の持ち方を真似て、宿題分の字を書いてみてください。どこまで求めていいのか、判断しやすくなります。です。書く量、丁寧さ、マスのサイズ。体験して定義・言語化という作業をしてください。

処方箋といたしましては「レベルのあった全身運動」です。
指より体の根元の方向(体幹側)の関節に、動きがぎこちない(動かせない)部分があるはずです。ラボでは各関節を動かす遊びを順番にしていって、目覚めてもらいます。体幹と手足の分離(モロー)→肩関節股関節→肘→手首→指の順番です。
ご家庭では、木登りやボルダリング、相撲など。漢字を一万回書かせるより、全身遊びの方が伸びます。



②2D感覚の発達が追いついていない

図形を正確に認識する力です。上下左右の位置、向きなど。
例えば、このおもちゃを余裕で一発クリアできるようになっただいぶ先に、文字を正しく書くことがあります。

図形の一致の能力(2歳半〜)。立方体っぽい直方体はなかなかできるようにならない(長さの比較)。

書字で見られるパターンは
・漢字の写し書きができない。真横に拡大したお手本を書いても、安定しない。
・同じ字を何回も書いているのに、すぐに違う字になっていく
・逆さ文字、部分逆さ文字。はねる方向が逆、点の向きが逆など。
・本数が違う。日が目になる、ひらがな「そ」が五段ソフトクリームみたいになってしまう

ぐしゃぐしゃ書き、紙を破る子が多い


ラボの見解ですが
・前庭感覚、視覚認知、そしてその二つの連携、どこかにエラーがある
・人の表情の変化に疎い現象の併発がよく見られる。目や口などの微妙な形状変化が認識できない。
・算数障害の群化が苦手なパターンとおそらく関連している


ラボでは
・前庭系の発達がストップしている要因を解除(tnr\stnr)しながら、前庭覚と視覚認知を育てる
・未発達の期間、本人の書字ニーズが強い場合は、ミチムラ式を使用。全身で書いて遊ぶ、時間をおいて数回。途中から不要に。
kanji.cloud
・ケース①2週目に写し書きができるようになった
・ケース②開始後1年で、なんとなく簡単な漢字を覚えられるようになった
・(ただし、他要因の併発状況や本人のコンディションや取り組みによります)

その他、試してみるなら、こんな方式もあります。ラボでは未使用ですが。
触るグリフ「日本語の仮名と短文と漢字」シート - ディスレクシア(読み書き障害)の治療プログラム|触るグリフ


③その他

・まぶしさへの過敏(アーレンシンドローム)で、紙を見ることがつらい
・まぶしさやピント合わせの関係などで、文字が浮いたり動いたりして、疲れる
・筋緊張等の要因で、椅子に座って片手を動かすことがつらい
・取りかかりや集中の継続に対しての苦手さ  などなど

すこしずつ改善はできますが、まずはラクな方法やツールを探すことが先決です。


★まとめ
いずれの要因でもそうですが、字の暗記はできないときにはできない!です。
不得意な認知経路からは記憶の経路に情報が入っていかないです。
迷ったら、書字よりも、お子さんの心身の健康を優先してください。


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